伴名練『なめらかな世界と、その敵』

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

  • 作者:伴名 練
  • 発売日: 2019/08/20
  • メディア: 単行本
著者はホラー・SF界隈の作家らしい。デビューから約10年が経っているが、書籍としては『少女禁区』に続いて本作が2作目である。兼業作家なのかな。

ブログやネットニュースで絶賛されているのを最近よく見聞きしていたので気まぐれで買ってみたが、なるほど、まず読んでいて素直に面白い。引き込まれる。それに意識やアイデンティティといった21世紀的なテーマ・モチーフを扱っており、これはSFフリークならずともぜひ読んでほしい本だと思った。

例えば、乗覚という感覚(今ここではない、たらればの世界を感じ取る能力)を皆が普通に持っている架空世界。脳科学の発展により特定の思考や感情を引き出したり出来なくしたりするナノマシンをインプラントできる近未来。これまであまり読んだことのないタイプで、凄くワクワクした。

面白い。