北村紗衣 『批評の教室――チョウのように読み、ハチのように書く』

精読する・分析する・書く・コミュニティを作るという4 STEPで批評行為を整理・解説した本。「コミュニティを作る」だけ若干わかりづらいように思えるが、これは仲間内などで批評そのものを批評し合ってレベルアップを図るような行為を指す。批評が批評の目にさらされないというのもギャグでしかないので、これは必要なことだろう。もちろん本当の趣味で誰かにケチをつけられたくないという人がいてもおかしくないが。

語り口が全体に軽妙・軽快で、とはいえ冗長感はなく、個人的には読みやすかった。もう少し深掘って批評例を読みたいなと思うところもあったが、それは4章に譲ったということなのだろう。個人的には好きな本。