一徹『セックスのほんとう』

女性向けAVに出演しているAV男優が書いた本。

詳しくは書かないが、あまり一般的にはやらないような行為がアダルトビデオ界隈では「一般的」なものとして、さらには「気持ち良い」ものとして描かれているというギャップに警鐘を鳴らす内容。男性向けAVはファンタジー色が強いと問われると、そうだろうなという感想しかない。もちろん女性向けAVにも女性ならではの目線からのファンタジー色はあるのだが、男性向けに比べると傾向としては控え目ということになるようだ。

個人的な意見を書けば、大半の成人が「やる」行為を、恥ずかしくて汚らしくてワイセツなものだとして公共空間から過度に排除すること自体、未だに違和感がある。例えば、食事をする行為は排除されていない。むしろ老若男女を問わず公共の場でふんだんに食事をしているし、グルメ番組も大人気だ。一方、文化圏によっては、裸への羞恥心が一切ないし夜這いやセックスについても至極当然の行為として受け入れられているが、女性が見知らぬ男性と食事をするなどアリエナイといった地域も実際ある。食事にも排泄にも性交にも、それ自体に善悪の概念など無い。自分が不快で見たくないから規制をするという論調自体にわたしは違和感がある。男性器も女性器も性交シーンもどんどん公開すれば良いのだ。それで何の危険があり、何の犯罪が増えるのだろう? 正しい知識を知って乱暴な行為が減ることはあるだろう。