梨木香歩は最近(と言ってもこの10年とか15年で)凄く丁寧に仕事をして評価されているというのは知っていた。が、一度も読んだことがなかった。これ、映画化されているんだな。ネットで誰かがおすすめしていて(これもまた曖昧だな)何となく興味を持って買ってみた。
小学生の少女がとあるきっかけでいじめられるようになり、不登校に。悩んだ両親が環境を変えようと祖母の家に主人公を預けることにする――という話で、魔女とは祖母のことである。終始おだやかで、話としてはシンプルだ。文体も。でも少しだけ、決して本題ではないのだがほんの少しだけちょっとした悪意や加害があったりして、でも主人公(少女)もその悪意や加害からは逃れられない。主人公に大変すばらしい影響を与えた魔女(祖母)も同様である。母親も同様だ。なるほど……面白い。
大人もそうだけど、小学校高学年とか中学生ぐらいが読んでも、凄くハマる気がする。