広島アスリートマガジン2015年10月号“新 赤ヘル遊撃手伝説"【表紙☆ 田中広輔 / 野津田岳人】
- 出版社/メーカー: サンフィールド
- 発売日: 2015/09/25
- メディア: 雑誌
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というか今シーズンの結果が出てしまった今となっては、赤ヘル遊撃手伝説という言葉も空しく響く。今月号の内容と直接関係ないので、このエントリーの大半が余談になってしまうが、一点だけ書きたい。緒方監督のことである。
余談:緒方監督について
緒方監督についてはファンや地元紙から結構な批判を受けているようだが、私も起用や采配についてはどうかと思っている。最終戦で大瀬良が打たれたのは「結果論」ではない。彼は前回も打たれているし、最近の投球内容やそれについての評論家の評価からして、調子を落としているか、疲れを溜めているか、その両方であったことが傍目にも明らかであった。なのに何故あっさり大瀬良を使うのか。彼はノックアウトされた後、それはもう気の毒なぐらい号泣していた。最終戦の負けの責任、ひいては今シーズンのBクラスの責任を全て背負ったかのような号泣で、もう私は彼が不憫で、貰い泣きしてしまった。しかし冷静に考えてあの日の……というか今シーズンの戦犯は大瀬良ではない。打線の粘りのなさと監督の粗雑な起用・采配こそが戦犯ではないか。広島のクライマックスシリーズ出場を祈って7時間の特番を組んだCSの放送局もあったというのに、カープファンが集まって異様な熱狂に包まれたであろうホーム最終戦で「そこそこ」レベルの投手を相手に1安打しか打てず、それでも何の揺さぶりもないまま淡白に凡退。
本当にがっかり。
言い添えておくと、選手としての緒方は、私は歴代カープの中で最も好きな選手のひとりだ。以前のブログでも詳述しているが、引退試合の最後の打席とスピーチは、それこそテープならすり切れるほど再生した。久々にYouTubeで検索したら、お気に入りに登録していた動画が軒並み削除されており愕然としたが、ひとまず最後の引退セレモニーのスピーチだけ張っておく。この引退スピーチは何百回と聞き、最後は空で言えるほどであった(だから書き起こした)。
子供の頃の夢は、プロの野球選手になることでした。その夢が現実となって、カープに入団して、23年間も、大好きな野球を、思い切りやれました。
人に負けたくない。この世界で、何とか成功したい。そういう思いで一生懸命バット振って、がむしゃらに練習してきました。
常に全力で、試合が終わればユニフォームが真っ黒に——そんな選手でありたい、そうありたいと、最後の最後まで思っていました。
気がつけば、そのユニフォームが汚れなくなり、そして、走ることも、守ることも、自分の思うようなプレーができなくなったと感じ、引退を決意しました。
本当に怪我の多い野球人生ではありましたが、家族の支え、チームの仲間の支え、そして何よりファンの支えによって、ここまで来れた野球人生です。
最後になりますが、カープのユニフォームを着て、23年間野球ができたことを、誇りに思います。ありがとうございました。
緒方は最近、巷で「脳筋」と呼ばれている。その表現が100%間違っているとは思わないが、もう少し良い表現で書くと、「闘志」「全力プレー」「打撃に比べてよりスランプの少ない走塁と守備を中心とした猛練習」というのが彼の信条だと思っている。それなのに、監督になった途端、特定の選手のえこひいきや、粗雑なプレーばかりが目立ち、広島ファンが期待した、緒方の信条である「闘志」や「全力プレー」を広島ナインに植え付けている感じが全く見えないのである。さすがに今季で終わりということはなく、来季もやると思うが、ファンや地元紙からの批判は謙虚に受け止め、何が駄目だったのかを相当考えてほしい。