12巻で突如「恋愛フェイズに移行か!?」となったが、いやこれは先が長そうだわw
さて、13巻は医療的・薬剤師的なテーマとしては重い。ADHDである。
ADHDを個性だの何だのという論調は、正直わたしは現実ではないと思う。一時サヴァン症候群を天才として持て囃す風潮があったが、サヴァン症候群=天才というわけではないし、仮に何らかの天才性があったとして、それを見つけられるとは限らないし、見つけられたとして育てられるとも限らないし、また育てられたとして食べていけるとは限らないし、その才能を当人が欲しているとも限らない。
当人が困難を認識していたり、実態として学業や就労に制限がかかるのであれば、それは病気かどうかは置いといて少なくともハンディキャップであろう。そして現実問題として、(グレーゾーンを含む)多くのADHDの人が困難を感じていることが多い。そもそも困難を感じなければADHDかどうかの診断を受けることもないわけだしね。そういうADHDの症状が、服薬によって改善されるとしたら、ここで個性だの何だのというのは、あまりにも現実的ではないと思う。
視力が低ければメガネ、聴力が悪ければ補聴器、血圧が高ければ降圧剤――これらにより困りごとやリスクを抑えて生活できる。それと同じ期待がADHDの処方薬に望まれているし、また使われている。わたしの知人や友人にも何人かADHDの薬を飲んでいる方がいる。全員が、これがないとまともには働けない、毎日必ず飲むと言っている。そしてそれで良いのだと思う。わたしの視力も0.1を大幅に下回っている。裸眼視力が高くないと働けない職種が中にはあるが、幸いにもわたしはそういう仕事には就いていない。そして視力を矯正して一般的なサラリーマンとして働いているのだ。
まだ本作のストーリーがどう転ぶか現状わからないのだが、ADHDは個性といった甘っちょろい結末は嫌だなぁと思う。