沙村広明『波よ聞いてくれ』1巻

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

波よ聞いてくれ(1) (アフタヌーンKC)

深夜のラジオ局のDJとして見初められた、カレー屋で働く25歳の女を主人公としたドタバタコメディー漫画。
沙村広明はコメディやナンセンスギャグを描くことがよくあるのだが、相変わらずの超絶画力から生み出された絵と中身の落差が大きすぎて、なかなか読み手もどんな顔をして読めば良いのかよくわからないところがあった。本作も、いわゆる顔や頭身のデフォルメは一切ないのだが、アプローチはスラップスティックに近いドタバタストーリーである。
ただし「真面目な顔で変なことを描く」というか「登場人物はみんな真面目だけど全体で見るとかなり馬鹿げている」というか、そういうアプローチの漫画を描くのは沙村広明もだんだんベテランになってきている。だから以前の作品よりはずっと読みやすい。