小池桂一『ウルトラヘヴン』1〜3巻

ウルトラヘヴン (1) (ビームコミックス)

ウルトラヘヴン (1) (ビームコミックス)

ウルトラヘヴン (2) (ビームコミックス)

ウルトラヘヴン (2) (ビームコミックス)

ウルトラヘヴン (3) (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

ウルトラヘヴン (3) (ビームコミックス) (BEAM COMIX)

本作はドラッグやトリップ体験が今より身近になった近未来が舞台。バーのようなところでマスターが独自に調合したドラッグを打ってトリップ体験をすることが合法的に認められた世界で、自暴自棄・自堕落な生活を送ってドラッグを打ち続ける青年を主人公とした漫画。

1巻では、主人公が、目が明らかにイッている怪しげなジジイから特製のドラッグを受け取ってトリップしている。そこで潜在意識が拡張したのか、更なるトリップを求めて2巻では宗教団体の「ヘッドギア」のようなものをつけて瞑想というかトリップというかをしている。で、3巻では、その怪しげなヘッドギアを作った宗教団体のところを訪れて、集団での瞑想というか何というか……うーん、説明できんなあ。要はドラッグを使ったりヘッドギアのような意識拡張のアイテムを使ったり瞑想したりと方法は異なるが、まあ主人公は四六時中ブッ飛んでいるということなのである。説明終わり。

で、ブッ飛んでいるときの描写がとにかく凄い。大友克洋を彷彿とさせる超絶画力で、表情なんかは新井英樹の描き方にも近い気がするのだが、もうとにかく巧い。ただ描き込んでいるだけでなく、ドラッグでブッ飛んだらこうなるのかなと思わせるような画面の歪みっぷりである。かつて『トレインスポッティング』で主人公のレントンがバッドトリップしたときの描写にもビビったが、本作はそれを明らかに超えてきたと思う。

まあ4年に1回ぐらいしか新刊が出てないので、4巻が発売されるのかどうかはよくわからないが、続きが出たら絶対に買いたい。