石川優吾『ワンダーランド』1巻

ワンダーランド 1 (ビッグコミックス)

ワンダーランド 1 (ビッグコミックス)

前作『スプライト』がいきなり違う時間軸に吹き飛ばされるという、いわば「時間」をモチーフとしたパニックSFだったのだが、本作は、ある日突然一部地域の人間(と、身につけていた衣服)が10分の1程度のサイズに小さくなるという、いわば「空間」をモチーフとしたパニックSFである。1巻はまだ導入という感じなのだが、ミニチュアサイズになった人間が猫やカラスに食い散らかされて、防護服を着た普通サイズの人間からも殺虫剤のようなもので殺されるという八方ふさがりな状態で、原因も今後の展開もまだ全く見えてこない。

ただ、読者が完全に置いてけぼりだった感のある『スプライト』よりは諸々の状況説明も丁寧で、今後どういう展開に持っていくつもりなのかは凄く気になる。