山本英夫『殺し屋1』全10巻

山本英夫の名作『殺し屋1』の電子書籍版。電子書籍版の品質が低いと叩かれており、完全に解決したとは言いがたいので、一旦紙媒体とは別作品として投稿しておく。個人的には「作品を楽しむのには問題ないと思うけど、神経質な人は気になるだろうね」という評価。こちらのエントリーで、もう少し細かい印象を書いておいた。ただ「見切れ」は本作では発生していないかも。『のぞき屋』と『新のぞき屋』では気になったけど、本作では特段気にならなかった。
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さて、肝心の内容だが、本名・出身その他ほとんど不明な「ジジイ」が、(いじめられていた反動で)自身の記憶を改変しながら都合良く殺しを行う「イチ」という青年を利用して、新宿歌舞伎町にある通称ヤクザマンションにいるヤクザ組織をまとめてぶっつぶそうとする……というアウトライン。しかしターゲットにされた暴力団の方々も現実離れした怖さを持っており、とにかく読んでいるだけで「痛み」が伝わってくる強烈な描写である。三池崇史あたりが好きそうだな〜と思って検索したら、既に三池崇史が映画化していた。まあそれぐらいの作品。久々に読んだがやはり傑作だな。