中野でいち『hなhとA子の呪い』2巻

hなhとA子の呪い(2)【電子限定特典ペーパー付き】 (RYU COMICS)

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第1巻の感想はこちら。
incubator.hatenablog.com

人一倍性欲がありながら、肉欲を否定する主人公。その矛盾は主人公を深く苦しめる。デッサンは醜く歪み、脳内妖精も登場し、そしてついには想定していなかった過去のトラウマを掘り当てることになる。

食欲・性欲・睡眠欲という人が生きていく上で不可欠な三大欲求のうち、性欲だけは他者を介在させなければ(本質的には)解決することができないという指摘は、なるほどなと思った。もちろん御託を並べることは可能である。食事だって美味しいものを食べるには云々とか、睡眠だって周囲の環境が云々とか、性欲だって自慰行為で云々……けれど直感的には、やはり性欲は他者と成し遂げる欲求であろう。

全2巻と短い作品ではあるが、圧倒的な熱がブチ込まれているため、読むとけっこう疲れる。でも辿り着く価値のあるラストだ。