Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』2〜7巻

最近(極私的に)流行の兆しを見せているダンス漫画だが、こちらはクラシックバレエがモチーフ。

バレエというのは残酷な競技だ。才能という言葉があるが、バレエにおける才能とは「柔軟性」や「想像力」といった後天的に何とかしようのある(少なくともその余地が少しは残されている)ものだけでなく、頭の大きさや骨格・筋肉の付き方といった先天的な身体的特徴の占める割合が大きい。また家柄(もっと言っちゃえば親の理解と経済力)の影響も無視することはできない。身体的特徴や家柄は、努力では覆せない。まあ主人公はただただ天真爛漫にバレエに打ち込んでいるだけなのだけど、親や友達はけっこう厳しい状況に置かれていたりして、そのあたりの難しさが、本書ではけっこう赤裸々に描かれている。

そういう描写を含め、めっちゃ面白い作品である。

この作者は元々エロ方面で活躍している方なのだが、非エロでも十分に面白い。個人的に、この人のエロは(巧いけど)あまり好みではないので、このまま非エロの作品で突っ走ってもらいたい。