熊倉献『ブランクスペース』1巻

作者は元々『春と盆暗』というアフタヌーンらしい作品を書いていたのだが、本作はその雰囲気を残しつつも、かなりリアリティに話を振ってきた。

何の情報もなく読み始めた当初はもう少しポップな「青春物語」をイメージしていたのだが、読み進めるにつれてどんどん不穏さが増していく。陰湿ないじめや、同調圧力が強くそこから逃げられない学校生活――もちろんこれも「青春物語」と言えなくはない。しかし想像とは違った。どうしようもない閉塞感のようなものが描かれて、読んでいてヒリヒリする。この後どう話が展開していくのだろう。凄く気になる作品。