森野きこり『凹凸のワルツ』2巻

料理(しかも可愛い感じのデコ弁みたいなの)が好きだけどそれをひた隠しにしている男子高校生と、背も高く素材は良いのだが無表情でボソボソと喋って生徒から「進撃の巨人」だのと怖がられている女性教師。この女性教師は見た目に反して可愛いものや美味しいものが大好きなのだが、料理スキルがゼロなので、これもまあ叶わぬ夢だと諦めて、その諦観がまた巨人感に拍車をかけていて。

そんな2人が漫画チックなエピソードで急激に近づき、と言っても先生と生徒なので秘密裏に、女性教師は料理の練習をして男子高校生に見てもらい、また男子高校生は趣味の料理を誰かに食べてもらって喜んでもらえるという、ギブアンドテイクというか先生と生徒の主従逆転というか、そんな感じのふわふわな関係を育む物語である。

冷静に見ると正直「漫画的」なご都合主義で、安直な気がしないではないが、その辺の違和感に目をつぶると、心情描写も料理描写も丁寧で、個人的には面白い。