ボルダリングは個人競技で、他人と競う要素も少なく、大声を出したりもせず、派手なアクションもなく……と、漫画にはかなり不向きらしいのだが、それでも敢えて書いちゃうところがこの作者らしいというか。
読んでいて面白かったのは、ボルダリングとは難易度別に分かれた壁登りのルートを個人個人で黙々とチャレンジしていく競技で、多かれ少なかれ誰しもが必ず壁にブチ当たり、クリアできない状態になる。それでも何度も工夫したり、繰り返すことでコツを掴んだり、筋力向上や体重減少に励むことで何とかその課題をクリアできるようになる。しかし次はまたそれ以上に難しい課題が出てくるので、またクリアできなくなる。すなわち、大半の競技者が「課題をクリアできない状態」の競技なのである。
基本的に常時「できていない自分」と対峙する必要のある、非常にストイックというかマゾヒスティックな競技だと思う。
だからこそ「自分との戦い」といった感じがあって凄く興味があるんだけど、わたしの体重だと厳しい。ずっと気になってるんだけどね。
家から徒歩1分ぐらいのところにボルダリングの小さなジムっぽい店もあるんだけどなー。