65歳を過ぎて夫とも死別してしまった女性が、ミステリアスな感じの映像科の大学生と出会ったことをきっかけに、自分も大学で映像技術を学んで彼を被写体に映画を撮ってみたいと思うようになる。そして実行。
わたしは若すぎる or 年寄り過ぎるのいずれであっても、年齢を理由に差別したりされたり何かを諦めたり諦めさせようとするのが大嫌いなので、本作は素直に応援しているし、続きが読みたい。
けど主人公の女性が、20歳前後の映像科の大学生に恋をしているような描写があって(主人公はそうではないと表面的には思っているけど)正直かなりの違和感がある。つい先ほど年齢を理由としたジャッジメントは嫌いだと言ったばかりなので、別に65歳が20歳に恋しても別に構わないんだが、正直そこまでのエピソードがないし、この大学生にも45歳の年齢差を超えて好きになるほどの魅力を感じないし、クリエイターとしての関心や行為と恋愛じみた感情が未分化で描かれているなーと思った。単に主人公の感情が未分化なのを「あえて」描写しているという話なら、まあわからんでもない。けどわたしは、65歳が若者に刺激を受けながらもっと創作にのめり込んでいく感じが読みたくて、恋愛じみたねっとりとした感情を読みたいわけではないんだよなって率直に感じた。