鈴木清剛『ラジオ デイズ』

解説を含めても174ページしかなく400円を切ってもおかしくない厚さだが、500円。現に、適当に本棚から取り出した佐伯一麦の『ア・ルース・ボーイ』は186ページで362円。まあ100円くらいの差でガタガタ言うのも心が狭いが、何だかなあ。

本書では日常が普通に描かれるだけで、ストーリーらしいストーリーはほとんどない。小学校時代の友人が急に転がり込んできて、1週間ほど共同生活を送る、主人公の彼女がちょこちょこ登場する、それだけの小説だ。特別な事件も特別な雰囲気も、本当に何もない。不満というほどではないが、うーむ。