インキュベ日記

書評3400冊・漫画評7500冊・DVD評1000枚・動画評900話の「質より量」な記録サイト(稀に質も重視)

千葉雅也『勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版』

勉強に「アイロニー」だの「ユーモア」だのと独特の視点で分析・考察をしており、その意味では面白い。

何か役に立ったかと問われると、うん、わたしには役に立っていない。実用書として捉えちゃ駄目なんだな、本書は。

中野信子『世界の「頭のいい人」がやっていることを1冊にまとめてみた』

著者の知り合いには「頭のいい人」がたくさんいるようで、その人たちがやっている考え方や習慣を1冊にまとめた本が本書である。

感想としては正直「まあまあ」という感じなのだが、「やらないことリスト」は(他の本にも書いてはいるのだが)刺激を受けた。

千葉雅也+山内朋樹+読書猿+瀬下翔太『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』

書店でよく見かけるので気になっていた本だが、いざ読んでみると、正直かなり人を選ぶ本だった。

対談2つと対談者に寄せられた軽い文章で成り立っている本なのだが、前半の対談はほぼアウトライナーに関する対談だ。

アウトライナーというのは階層ごとに文章を管理できるメモ帳みたいなものだ。アウトライン整理に特化して使っている人もいれば、そのまま文章を書いちゃう人もいるのだが、まあ普通のエディタに比べるとパラグラフの追加や削除、階層管理が圧倒的に楽なので、好きな人も多い。

多いんだけど、わたしを含めた多くの人間は、ライティングという時に「まず、アウトライナーだな!」と言うほどアウトライナーに関心はないと思う。

全般的にテーマも発散的で、哲学とか執筆論と呼べるようなものは全然ない。

気軽な対談やエッセイだと思えば、ファングッズにはなるだろう。

読書猿『独学大全公式副読本――「鈍器本」の使い方がこの1冊で全部わかる』

読書猿Classicという書評ブログを書いている方(読書猿という書評メルマガもあったなぁ)の新刊『独学大全』が一時期かなり話題になっていた。

readingmonkey.blog.fc2.com

だが京極夏彦も真っ青の極厚本だ。マジで辞書レベル。読みたいが、どうもなぁ……と思ってから約1年ちょっと経過。

だが先日ふと思い立って検索したら、公式副読本というのが出ていた。

こちらは分量も多くないし、Kindleで無料で読めるので、さっそくDLしてみることに。

さてここから本題だが、1章はいわゆるブックガイドである。日本語、英語、数学、経済学、社会学などなど、WHAT・WHY・HOWの3軸で、それは何か、なぜ勉強した方が良いか、どうやって勉強すれば良いかを解説してくれている。まあよくある構成だが、本のセレクトはなかなか興味深かった。

2章は独学大全についての一問一答ならぬ百問百答。これも読み応えがある。

最後の3章は、独学大全に出てきた本の一覧とちょっとしたコメント。

横山信弘『絶対達成する人は「言葉の戦闘力」にこだわる』

予材管理や超・行動、絶対達成といった方法論やキーワードでブレイクした営業コンサルタントによる新刊。

率直な感想を言えば、わたしには何も響かなかった。言葉をこねくり回しているだけのエッセイ本だ。

わたしがもう10年近く著者に期待しているのは一点だけ、『横山信弘の5枚のシートで営業目標を絶対達成』というムック本に「さわり」だけ書き、日経ビジネスオンラインで公開すると宣言していた「ターンオーバー戦略」の体系的・包括的・具体的な方法論である。

incubator.hatenablog.com

上記の感想の「余談」として載せていた、ターンオーバー戦略の予告編を再度引用してみたい。

 例えば商品ライフサイクルが成熟期に入りつつある業界、ここにはまさにターンオーバー(ひっくり返し)戦略が当てはまる。こうした業界のプレーヤーは今まで追い風に吹かれ、さほど営業をせずとも、お客様から支持されてきた。したがって、売り上げはあるものの、総じて営業力が弱い。
 そこに営業力が強い新興企業、あるいは異業種の企業が参入してきたらどうなるか。オセロゲームで一気にコマをひっくり返すように、既存の企業は駆逐されていく。
 ターンオーバー戦略は、いわゆる「ブルーオーシャン戦略」の逆の発想と言っていい。競争が厳しいレッドオーシャンにあえて飛び込んでいくからだ。
 「シェアが固まっている我々の業界にわざわざ攻めてくる企業など、おらんでしょう」と思ったら大間違いだ。成熟した業界の慣習に慣れきって、あぐらをかき、たいして営業努力をせずに現状を維持している企業ほどこう考える。
 しっかりした営業力さえあれば、こうした業界の地図を塗り替えられる。顧客も市場を活性化する新たなプレーヤーを歓迎するだろう。
 企業戦略として、新しい商品を創造し、競争がまだない世界を切り開く道があることは承知している。だが、この戦略を成功させるためのハードルは極めて高い。
 営業強化も簡単ではないが、ヒットする新商品を創ることに比べれば、努力しだいで誰でもやれる。実際、私どものメソッドで多くの企業が「絶対達成」の習慣を身に付けつつある。
 「絶対達成」が習慣になった企業がこの先、これまで以上の成果を求めるのは当然だ。私はこれらの企業に「ターンオーバー戦略」を訴えていく。絶対達成が習慣化した企業が、新たな市場に切り込み、ターンオーバー戦略を実行、市場を活性化させていく。

2014年の記事を読み返して改めて思ったのだが、これは凄いことである。

よく、「営業は、魅力に乏しい商品でも売り切ってこそプロ」的なことを言われる。事実そうなのだろう。一方で、営業を何らかの形で経験したことのある人の半数以上の方は、一度はこう思うのではないだろうか。「俺は魅力に乏しい商品をセールストークで売りつけるのではなく、真に魅力的な商品を皆に売りたいんだよ!」と。でも、本当に魅力的で差別化された商材を扱えている企業はごく一部である。大抵は、代替可能で、どんぐりの背比べか、下手をすると競合よりも明らかに劣ったスペックしか持っていない商材で戦うしかない場合も多い。

ターンオーバー戦略とは「差別化できない商材をあえて扱い、営業力だけで競合他社をひっくり返していく」という、世の中にごまんとある「普通の会社」や「普通の会社に所属している営業マン」が待ち望んでいた戦略であり、戦術である――はずだ。

そのはずだが、ターンオーバー戦略のことを知って以来、未だにその詳細はよくわからない。

現時点で著者の方法論を最も体系的に記した本である『最強の経営を実現する「予材管理」のすべて』でも、サラッとしか書かれていない。

incubator.hatenablog.com

本書については、書名の「戦闘力」というキーワードから、ターンオーバー戦略についてもう少し書かれているかなと思ったんだけどねえ。

ちゃんはま『定時ダッシュのオニが教える超タスク管理術』

今年は全く本を読めていないので、リハビリも兼ねて、昨日から軽めの自己啓発やHOW TO本を読んでいくことにした。

これはKindleで自費出版された本。色々と書いているが、個人的に取り入れようと思ったのは、ToDoリストについてオープンリスト(ToDoの総量)とクローズリスト(今日やる分のToDo)を分けて管理せよというアイデアだ。これのメリットは、今日やるべきことにより集中しやすいというものだそうだが、これは簡単な割に効果が高そうだ。

岡野純+佐々木正悟『マンガでわかる!タスクシュート時間術〈超入門〉』

『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』を書いた人の方法論の入門書。

incubator.hatenablog.com

わたしの理解では、佐々木正悟という人の言っていることはシンプルで、自分の活動を「やっていること」だけでなく「何もしていない時間」も含めて分単位で可視化せよ、ということだと思う。可視化して、可視化した数値を基に1日でやれることの総量を洗い出す。そしてやる。やった結果、見積もった時間と実績には乖離が出るから、その乖離を原因分析する。それを繰り返せば良い、という話なのだと思う。

上記をやれば、タスクというかToDoを始業から終業まで時間単位で「時間割」として並ぶようになる。

若干わたしなりの曲解も入っているかもしれないが、本質はこういうことだと思う。