鬼塚忠『ザ・エージェント』

ザ・エージェント

ザ・エージェント

著者はアップルシード・エージェンシーという会社を立ち上げ、「作家のエージェント」という(欧米では常識だが)日本では馴染みのないビジネスを展開しているのだが、その取り組みを紹介している本。作家のエージェントとは、作家と契約して、編集者や出版社に企画を売り込み、彼らの才能を世に送り出してブレークさせる仕事である。
企画を形にするという点では、作家のエージェントと編集者はよく似ている。しかし決定的に違うのは、作家のエージェントは(出版社ではなく)作家の権利を守る立場という点、そして作品単位ではなく作家をサポートするという点である。
「本」や「作家」に対する著者の情熱が伝わってきて、非常に面白い。