ハンス・ロスリング+オーラ・ロスリング+アンナ・ロスリング・ロンランド『FACTFULNESS』

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本
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「世界や社会は、どんどん悪くなっている」という風潮は多い。しかしそれは事実に反しており、基本的に世界や社会はどんどん良くなっている、というのが本書の基本的スタンスである。本書は、10の例を踏まえ、思い込みを排して正しく世界を見るための習慣をつけよう、と主張してくれている。

正直「主張のわりに、えらく長ったらしい文章だなー」とは思うが、内容自体はなるほどと思う。昨日読んだ『学びとは何か』に書かれていたスキーマと通じる考え方だ。わたしなりの理解で書くが、賢い人間はスキーマ(知識や考え方の枠組み)をきちんと構築することで難しい問題もスピーディーに理解できるようになっているが、そのスキーマ自体が良く言えば「仮説思考」、悪く言えば「思い込み」にも繋がっている、という話だった。

まあエジプトのピラミッドの時代から「近頃の若いもんは……」という愚痴があったそうだが、変化に適応できない老人の最期は哀れだ。わたしは40歳を超え、既に若者とは呼べない年齢に到達してしまったが、基本的に、古いものよりも新しいものにコミットしたいと思っている。きちんとデータドリブンで会話できるようになりたい。

なお、「ファクトフルネス」とは「(思い込みではなく)データを基に世界を正しく見る習慣」を意味する言葉で、最近流行りの「マインドフルネス」から来た造語らしい。