インキュベ日記

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野田サトル『ゴールデンカムイ』5巻

ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

日露戦争での戦いぶりにより「不死身の杉元」と呼ばれる主人公が、北海道で出会ったアイヌの少女と一緒に、危険な囚人や軍人を相手に金塊争奪戦に参加する……という物語。

本作が面白いというか優れていると思う点は幾つもあるが、この5巻で改めて認識したのは、主人公が目的のために悪を躊躇しないということである。主人公は快楽殺人者ではないため、殺さなくて良いなら殺さない。しかし必要ならまだ幼いアイヌの少女を前にしても、殺すのである。本作のターゲットは、数十人・数百人クラスの集団が動くような、莫大な金塊だ。そして主人公たちは他人の思いや野心を踏みにじってでも目的のために金塊に辿り着こうとしている。相当な業である。ここで主人公が綺麗事を言っていたら、本作のリアリティはなくなってしまうと思う。

アイヌの少女は別ね。彼女は逆に手を汚してはならない。