重松清『いとしのヒナゴン』

いとしのヒナゴン

いとしのヒナゴン

比奈という小さな町にいる幻の生物「ヒナゴン」と、比奈の合併問題や町長の座をめぐる政治の世界、その2つの問題を軸に、ユーモラスに展開される物語。
東京のコピーライター養成講座に通ったは良いものの、経歴を(明確に嘘をついたわけではないものの)誤解されるように誤魔化し、故郷の役場に採用され、挙句の果てに酒に酔っては他人に絡む……という女が主人公である。主人公には感情移入しづらいが、族上がりの型破りな市長が、ハチャメチャで、面白い。