高野登『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

サービスレベルの高いことで知られる高級ホテル「リッツ・カールトン」のサービスや顧客に対する考え方を紹介した本。リッツ・カールトンは「クレド」と呼ばれるリッツの信念を記したカードを社員全員が常に携帯しているそうだが、この種の信念を浸透させるのは本当に難しい。お題目は誰でも書けるが、本当に凄いお題目を書くのは非常に難しいし、それを社員に浸透させ、顧客にまで伝わるというのは、さらに難しい。出会い頭的な「たまたま」感動することはあっても、企業として何度も感動を生み出すには、ここまでやり切らないといけないのかもしれない。
ところで、色々な自己啓発の本やセミナーなどで「年収の五パーセントを自分への投資にあてなさい」という言葉はよく耳にする。それは3パーセントかもしれないし10パーセントかもしれないが、まあ本質は変わらない。年収500万円なら年25万円、年収1000万円なら年50万円を自分の成長のために投資するのだ。ただ、リッツカールトンの著者のメンターは、現在の年収ではなく、目指す収入の五パーセントを自分に投資するよう言ったそうである。つまり年収1000万円を目指したいなら年50万円、年収1500万円を目指したいなら年75万円を自分の成長のためにするべきなのだそうだ。これはなかなか目から鱗な視点だ。キャリア形成とは、こういったところから考えなければいけないのだと思わされた一節である。