西原理恵子『営業ものがたり』

営業ものがたり

営業ものがたり

サイバラの「毒舌まみれの超アウトロー作家」の面と「天下一品の抒情モノ作家」の両方を楽しめる本。分量的には毒舌お笑い漫画の方が多いが、個人的にはやはり叙情方面の作品に惹かれる。
「[PLUTO]によせて うつくしいのはら」は、別にゲジヒトやアトムが出てくるわけじゃないし、浦沢直樹の『PLUTO』からインスピレーションを得た作品――ということになると思う。しかしこれが良い。サイバラの叙情が全開で、涙の出るような出ないような、何とも言えない気持ちにさせられる。映画化もされた『ぼくんち』の番外編も載っているが、これも良い。