佐藤秀峰『新ブラックジャックによろしく』5巻

研修医(斉藤英二郎)が目にする日本の大学病院や医療現場の現状を描いた傑作漫画。斉藤は研修の配属先で毎回騒動を起こすが、それらの騒動は、ことごとく日本の医療が抱えている深い暗がりに足を踏み入れてしまう――というアウトライン。
赤の他人(医師である斎藤)による生体腎移植という話が、急に脳死移植という「普通」の話になってしまった。もちろん移植という行為自体が一筋縄では行かない倫理的な問題をはらんでおり、「普通」と言い切ってしまうと語弊があるかもしれない。しかし、これまでの「赤の他人による生体腎移植」というテーマはどうなるのだろう?