綱本将也+ツジトモ『GIANT KILLING』11〜18巻

GIANT KILLING(11) (モーニング KC)  GIANT KILLING(12) (モーニング KC)  GIANT KILLING(13) (モーニング KC)
GIANT KILLING(14) (モーニング KC)  GIANT KILLING(15) (モーニング KC)  GIANT KILLING(16) (モーニング KC)
GIANT KILLING(17) (モーニング KC)  GIANT KILLING(18) (モーニング KC)
イングランド5部のアマチュアクラブを、FAカップでベスト32に導き、プレミアリーグポーツマスをギリギリまで追い詰めた若手監督が、低迷する古巣のクラブ・ETU(East Tokyo United)の監督として舞い戻る――という物語。

11巻

「ファンとの交流を行うカレーパーティーで献身的に働いていたメンバーをスタメンにする」という、ほとんど暴挙に近い采配を振るっていた監督だが、それがなかなか良い方向に作用する。こういう策も、良くも悪くも漫画では許されるし、それなりに面白かったりもするのである。

12巻

リーグ戦を連覇した名門クラブ・東京ヴィクトリーと対戦。今季の東京ヴィクトリーは色々と上手く行かず、低迷中。しかし監督は、色々と細かい指示を出すことは、あえてしなかった。そうしないことで、名門クラブの一員であるという誇りによるチームのブレイクスルーを待っていたのである。そして皮肉にも、相手の弱点を突くETUのサッカーが、東京ヴィクトリーを次なるステージに引き上げるのである。そう来たかー。面白い!

13巻

東京ヴィクトリーの10番である持田の存在感がスゴい。どのような業界でも、覚悟を持った人間は他人を揺さぶり、そして動かす。

14巻

13巻の後半から14巻にかけては、オールスター戦。まあたまにはこういう描写も悪くはないかもねー。

15〜18巻

しばらくは監督の現役時代の回想。この回想シーンって奴は使いどころを間違うと一気に面白くなくなる。はっきり言って、この作品のこの段階での回想は邪魔なだけである。一気に面白くなくなったよ。まだチーム作りが完成していないのに、ここで監督の過去を振り返る必要があるの? 時間潰しとしか思えない。
おかげで、監督の過去回想編が終わった後も、どうにも(個人的には)物語のドライブ感がなくなったように感じる。もちろんそれなりには面白いんだが、何か「そこそこ」で安定してしまった。安易な回想は害悪しか生まない。ワンピースの回想シーンなんて、その典型だよな。