赤名修+真刈信二『勇午 横浜・横須賀編』

勇午 横浜・横須賀編(1) (KCデラックス)  勇午 横浜・横須賀編(2) (KCデラックス)
功率97.4%を誇るフリーの交渉人・別府勇午による社会派ストーリー漫画。Wikipediaを読んでいて気づいたのだが、ほぼ全てのシリーズにおいて、交渉の過程で勇午が拷問を受ける羽目になる……という、なかなかアレな漫画でもある。
横須賀編は「日本と核兵器」という極めてシリアスなテーマを持って来た。今は東日本大震災とその後の原発問題によって原子力に対する拒絶反応が強まっているが、それを抜きにしても日本という国にとって核兵器に対する心情的な抵抗は強いと思う。かく言う俺も核兵器を持つことには断固反対である。
しかし俺は、議論や思考実験をすることは別に構わないと思う。官僚が暴走して核兵器を持とうとしたら一体どうなるか……と「あえて」物語にすることには、大きな意味があると思う。