山本貴光『文体の科学』

文体の科学

文体の科学

文体を、外形的な側面から解剖しようとした本。

従来の文体論ではもっぱら文の意味内容を検討してきた。だが、文の姿かたちについて考える際、意味内容以外の要素を無視してしまってよいだろうか。その文章がどんな物質にどんな状態で表されているかということは、読み手になにかしらの影響を与えないだろうか。

紙と電子の違いとか、ルビの有無とか、文の長短とか、言葉の配置とか、行間とか……いわゆる編集とかブックデザインといった観点と言い換えても良いかもしれない。
狙いは最上。
しかし内容はそこそこ。購入した時は、もっと面白いかと思ったのだが。