脳内ポイズンベリー コミック 1-5巻セット (クイーンズコミックス)
- 作者: 水城せとな
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: コミック
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ストーリーは男女の感情のすれ違いを題材とした直球の恋愛漫画だが、テイストは(胸キュンシリアス系ではなく)ドタバタコメディである。
心の中(頭の中)で「あーでもない」「こーでもない」と葛藤するときの比喩として、複数の仮想人格が脳内で議論するという表現がある。「天使の自分」と「悪魔の自分」の葛藤とかはその典型だが、本作はそのアイデアを膨らませて、主人公のアラサー女性の脳内に5人の仮想人格を住まわせ、何かある度に頭の中でワーワー議論させている。アラサー女性の脳内だが、脳内の仮想人格は男もおり、老人もおり、議長がまとめ切れない時のみ登場する超越的な仮想人格もいる。常にドタバタワーワーやっている脳内会議と、現実のアラサー女子の恋愛ストーリーを、両輪で楽しむ……という、なかなかメタなアプローチの漫画である。
なお、私自身、脳内で「あーでもない」「こーでもない」と葛藤することはよくあるのだが、脳内で複数の自分が議論をしている感覚を持ったことはほとんどない。BSオススメ夜話で本作をオススメしたサンキュータツオも脳内会議の経験はないと言っていた。一方、吉木りさは「脳内会議をやっている」と言っており、こういう感覚に共感していたようだ。男女間の違いでもあるんだろうか?