平本アキラ『俺と悪魔のブルーズ』5巻

俺と悪魔のブルーズ(5) (ヤンマガKCスペシャル)

俺と悪魔のブルーズ(5) (ヤンマガKCスペシャル)

ギャグ漫画家と思われていた平本アキラが描いた、ギャグ無しの傑作漫画。

初めて読んだ時にとにかく驚いたのが、その超絶画力である。デビュー直後は恐ろしく下手だった平本アキラが、いつの間にそんな超絶画力を身につけていたのかと世間に衝撃を与えた。しかもストーリーも凄い。あまりのギターのテクニック故に「十字路で悪魔に魂を売り渡して、その引き換えにテクニックを身につけた(いわゆるクロスロード伝説)」と騒がれたロバート・ジョンソンをモチーフに、人種差別が色濃く残る1920年代のアメリカの濃密な空気を切り取っており、文句なしに引き込まれたのをよく覚えている。

……しかしいつの間にか月刊アフタヌーンでの連載が中断し、そのまま放置。もう続きを描くことも無いのだろうと思っていたが、何と8年ぶりに復活。早くも6巻が待ち切れないが、8年も待ったんだ、まだまだ待とう。