高浜寛『四谷区花園町』

四谷区花園町 (バンブーコミックス)

四谷区花園町 (バンブーコミックス)

Amazonに書かれた紹介文を引用してみる。

「1回の人生やけん、好きな人と楽しく生きたら良かと思わん?」太平洋戦争前夜。新宿の片隅に咲いた、小さな、小さな恋の花。昭和初期の花園町。風俗雑誌「性ノ扉」のライター三宅至心は、取材先のデッサン教室でモデルをしていた混血の娘、アキと出会う。やがて恋が芽生え、慎ましくも賑やかな二人の生活が始まっていくが…。世界でその才能を認められた孤高の叙情派作家・高浜寛が新境地を切り拓いた初の連載作品。

表現する喜び、信念をつらぬく厳しさ、誰かとめぐり逢う奇跡、愛しぬくことの尊さこれは魂の物語です。――こうの史代(漫画家)

素晴らしい青春漫画の王道だ!“エロ”はどんな時代にも生きる勇気を与えてくれる。映画にしたいと思った。――行定勲(映画監督)

本作は、精密に作り込んだ作品というよりは、軽い笑いや人情なんかも織り交ぜられた作品だ。

だから面白い。

高浜寛は、知的で、エロ&叙情の取り扱いが巧い作家である。それは貴重な才能なのだが、しかしわたしはもう少し気楽に漫画を読みたいなとも思ってしまう。個人的には『ニュクスの角灯』以来の好みと言って良い。

さて、電子書籍化されている高浜寛の作品は全て読んだ。これから電子書籍化されていない『トゥー・エスプレッソ』や『イエローバックス』も読んでみようかな。