- 作者: 吉原基貴,綱本将也
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/11/19
- メディア: コミック
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タイトルの「U-31(アンダー31)」は、「U-21」や「U-17」が元ネタの、主人公の後輩が影で主人公のことを揶揄した言葉である。年齢と体力の問題は、スポーツ選手には非常に重要なファクターであるから、なかなか深いタイトルであろう。主人公は現在27歳。スポーツ選手の27歳と言えば、肉体的にも技術的にもピークの時期に突入した選手が多いのかもしれない。また同時に、「もう27歳」と「まだ27歳」を行き来する微妙な年齢であることも、同世代として(たとえサッカー選手でなくとも)容易に推察できる。主人公は、周囲に流され、元代表の肩書きにすがり、不摂生な毎日を続けた結果、知名度だけはあるものの、プレーにキレと輝きを失ってしまった27歳に辿り着いた。しかし、客寄せパンダ覚悟で古巣に戻ることを決めた主人公は、何年かぶりにサッカーと真剣に向き合い、自らの輝きを取り戻すことも決意するのである。
本書のテーマは「色褪せてしまった輝きを取り戻せるか?」だと思う。
地味だが、リサーチも行き届いた、非常に面白いサッカー漫画である。