新井英樹『シュガー』1巻

シュガー 1 (アッパーズKC)

シュガー 1 (アッパーズKC)

抜群の運動センスを誇るが、ヒャハハハと独特の笑い方をし、勢いだけでいい加減なことをヘラヘラ喋る少年・リン16歳。ある時、高校を辞めて東京で板前になると勢いで喋る。もちろん心から板前になりたいというわけでは全然ないが、話が大きくなった結果「今さら『行かない』のがかったりー」という理由で、本当に高校を辞め、北海道を出て東京に行く羽目になる。その途上、散々お世話になった先輩「火の玉欣二」と再会したリンは、欣二と共に暮らすニューハーフのレイラ(元アマチュアボクサー佐伯剛史)により、ボクサーとしての類い希なる才能を見出される。ついでにレイラに殴られて気を失っている間にフェラチオされる――というアウトライン。
リンは、とにかくうるさくて、笑い方が気に障る。性格も鼻持ちならない。そのくせ才能たっぷり。ヒールというわけではないのに、ここまで感情移入できない主人公も珍しい。しかしながら、ここまでイライラできるキャラクターを描けて、しかも先が気になって仕方のないというのは、スゴい。