新井英樹『シュガー』2巻

シュガー 2 (アッパーズKC)

シュガー 2 (アッパーズKC)

抜群の喧嘩能力を持っていた先輩「火の玉欣二」は、リンの成長と才能に言い知れぬ危機感を感じ、リンに決闘を申し込む。欣二を父親のように慕うリンは、欣二とは本気で戦えないと一度は逃げだそうとする。しかし欣二に勝ってみたいというワクワク感を抑えられず、ついに決闘する――というアウトライン。
素人とのタイマンという形ながら、ボクシングの才能の片鱗を噴出させたリンは、ボクシングの魅力を「胸が‥‥こう デレッと‥‥甘くなった」と表現する。それを聞いた、リンのボクシングセンスの発見者にしてオカマのレイラは、シュガー・レイ・レナード(のことなのかな?)の逸話を語る。

その昔な‥‥それまでのボクシングを一変させたボクサーがおってなぁ
その革命的に美しいボクシングを見た新聞記者が「スイート・アズ・シュガー」て表現したんや
血煙 舞うよな世界に‥‥「シュガー」やで
‥‥ええ響きやろ
省いて省いて説明するとな‥‥
世界チャンピオンよりもな 1番すごい称号 それが‥‥「シュガー」や

前日も書いたが、とにかく主人公のくせにリンが鼻持ちならない。しかしリンの才能が溢れ出す様は、共感はできないけれど、うっとりと惹かれる。