
- 作者: 奥本大三郎,見山博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/05
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ところで本書はジュニア版であり、忠実な訳というよりは、奥本大三郎が『ファーブル昆虫記』の内容を(注釈や奥本大三郎の感想を加えつつ)細かく説明しながら、ファーブルの業績や考え方を紹介する――という構成だ。「ファーブル先生は○○だと思ったのです」といった文体はいかにもジュニア版的だが、内容は非常に充実しており、大人が読んでも充分に楽しめる。かなり面白いので、他の本屋でも完訳版の『ファーブル昆虫記』と一緒に並べた方が絶対に良いね。
全6巻となるジュニア版の第1巻は、スカラベを初めとした「ふんころがし」の仲間と、ツチハンミョウの仲間を取り上げている。「虫の生態がここまで面白いとは!」という感じで、子どもの頃の印象とはまた違った楽しみ方がある。スカラベ・サクレの研究は、ファーブル先生の中でも特に有名なものであり、必読であろう。