荒俣宏『アラマタ大事典』

アラマタ大事典

アラマタ大事典

要は雑学事典だが、さすが御大というべきか、先日読んだ造事務所『世界がわかる「地図帳」』 などと比べると圧倒的にクオリティが高く、知的好奇心をビンビン刺激する。
本来的に本書は小中学生を対象にしているようで、平仮名が多く、また全ての漢字にルビが振られている。言い回しも決して難解ではない。だからといって内容そのものが児戯に等しいかと言えば、決してそんなことはなく、大人が読んでも必ずや新しい発見や知見が得られることであろう。
例えば、宇宙は「ビッグバン」で始まったと言われているが、宇宙はどのようにして終わりを迎えるか? 答えはまだわからないのだが、昔はよく、ビッグバンで膨張した宇宙が収縮してビッグバン前の状態まで戻り、その際に時間も巻き戻る「ビッグクランチ」という現象が起こると言われていた。俺もビッグクランチのことは聞きかじっていたが、これはどうやらもう信じられていないそうだ。だが、そもそもビッグクランチという考え方自体、実に想像力を刺激する。時間が巻き戻る、だって!?