あだち充『H2』9巻

H2 (9) (少年サンデーコミックス)

H2 (9) (少年サンデーコミックス)

『タッチ』『クロスゲーム』『みゆき』『陽あたり良好!』などで知られるあだち充による青春高校野球漫画。
大の親友でありライバルであるエースの国見比呂と天才バッター橘英雄は、キャッチャーの野田敦と共に、中学野球で地区大会二連覇を果たす。しかしその後、比呂は肘、野田は腰に爆弾を抱えているという医師の診断を受け、野球を断念。英雄が野球の名門・明和一高に進学したのに対して、比呂と野田は野球部のない千川高校に進学する。しかし比呂と野田の通院していた上武医院は無免許医師であり、診断も嘘っぱち。今さら野球の名門高校に転向するのも気恥ずかしいので、2人は野球愛好会を野球部にして、ゼロから甲子園を目指す――というアウトラインであろうか(Wikipediaを基に作成)。
つーか、あだち充という漫画家は、自分の書くキャラクターの顔やストーリーが似通っていることなど百も承知で、それを逆手にとって読者と内輪的に楽しむという技を持っている。主人公が「パンチ」という名の駄犬を飼うくだりなんか、もう最高に内輪ネタである。あだち充だから許される手技であろう。