『広島アスリート』2009年1月号


広島東洋カープとサンフレッチェ広島の情報マガジン。
こうして来年の展望を見てみると(少なくとも広島ファン的には)本当に楽しみな布陣になってきた。あまりに弱いので、数年ほど興味を失いかけてきたのだが、改めて見ると、上手く若返りを図りながら、良い選手がしっかりと育っている。これはやっぱりマーティ・ブラウンの功績だと思う。ブラウンはパフォーマンスも面白いし、フロントと揉めないで、長く広島を支えてほしいね。
で、まず内野は、一塁の栗原と二塁の東出は不動としても、遊撃と三塁が良い具合に熾烈になってきた。去年ルーキーとしてブイブイ言わせた2年目の小窪に、出直しを図る梵、横浜から移籍してきた石井琢あたりが最有力候補になるだろうが、シーボルも残留しているし、喜田剛もファンから完全に認知されている。
外野も、前田・緒方・嶋という実績十分なベテランは言うまでもなく、赤松や天谷といった俊足選手の活躍の増大が見込まれる。あと俺は、この数年、廣瀬という選手を使ってもらいたいと思っていたのだが、Wikipediaを見ると、彼はチームトップクラスの俊足・強肩・好守備に加えてパンチ力も備えつつあり、セイバーメトリクスでも過小評価されている選手の筆頭に挙げられているそうだ。もちろんドラ1ルーキーの岩本にも活躍してもらいたい。
また広島らしい陣容という意味では、ユーティリティプレーヤーが多い。喜田剛は一塁・三塁に加えて外野手としての出場が多いし、小窪は二塁・三塁・遊撃とこなせ、石井琢も遊撃を基本に三塁と一塁をこなせる。東出と梵は互いに二遊間をスイッチできる。去年ルーキーながらウェスタンで打点王を獲得した2年目の松山は、守備は苦手のようだが、本職の外野に加え、一塁の出場も多く、三塁の練習もしている。
一方、投手は正直「うーん」という感じがまだある。特に先発がなぁ……。ただペンペン草も生えなかった中継ぎと抑えで、この数年やっと横山−永川というラインがきっちりと整備されてきた。特に永川の安定感が増してきたのは心強い。ジム・ブラウワーは一瞬で自由契約になったが、シュルツに加え、先日ドーマンという剛速球のセットアッパーを獲得した。まあ、あとは先発だな……。こればっかりは外国人も含めた外からの新戦力の獲得を考えるしかなかろう。
昔からのファンとしてひとつだけ残念なのは、前田・緒方というベテランがレギュラーとして活躍する可能性は来年も低いだろう、ということかな。球場も広くなるしね。まあこれも仕方あるまい。もちろん俺は前田と緒方を最後まで全力で応援し続けるけれど、これも世代交代という競技スポーツでは不可欠の要素なのである。www.fujisan.co.jp
www.facebook.com