篠房六郎『百舌谷さん逆上する』1〜6巻

百舌谷さん逆上する 1 (アフタヌーンKC)  百舌谷さん逆上する(2) (アフタヌーンKC)  百舌谷さん逆上する(3) (アフタヌーンKC)
百舌谷さん逆上する 4 (アフタヌーンKC)  百舌谷さん逆上する(5) (アフタヌーンKC)  百舌谷さん逆上する(6) (アフタヌーンKC)
ツンデレを「他者への好意を、自己の感情に反した攻撃的な言動で表現してしまう人格障害(ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害)」と定義し、ツンデレの症状に悩まされる美少女の日常を描いた漫画――Wikipediaをパクったが、こんなものでアウトラインは外していないだろう。要は、しばらく前に流行った「ツンデレ」ブームを逆手に取った漫画である。
圧倒的な画力と、フザケた設定から生み出される笑い、そして(忘れた頃に襲いかかる)妙に心を揺さぶる描写。少々設定に無理があっても強引に感動させていく。異色作だが、これは面白い。主人公(ツンデレ)のキャラが最高に濃いが、主人公以外にもちょいちょい異常なキャラが存在しており(というか改めて振り返るとほとんどマトモなキャラはいない)、コイツらがまたイイ味を出している。
なお篠房六郎はデビュー当初から圧倒的な画力を誇っていたが、『空談師』や『ナツノクモ』というネットゲームを題材とした漫画は、イマイチ波に乗り切れなかった感がある。この作家は個人的には好きなので、ブレイクしてほしいのだが。いっそのことアニメ化したら、カルト的な人気を博すかもしれない。