桜井画門『亜人』6巻

亜人(6) (アフタヌーンKC)

亜人(6) (アフタヌーンKC)

死んでも生き返る(つまり今のところ死なない)「亜人」と呼ばれる存在を中心としたホラーテイストのファンタジー。
主人公(亜人)は、序盤はごく普通の人格だと思っていたので、ごく普通の生活を送ってきたごく普通の主人公が亜人になって、新しい世界で翻弄される……という、いわば東京喰種みたいな物語構造だと思っていた。しかし実際は、主人公は元々、人間らしいあたたかみのある感情・良心・正義感といったものを一切持っていないアンチヒーローだということが(4巻で?)判明し、物語の性質が完全に変わってしまっている。
アンチヒーローたる主人公の人格は、いわゆるパーソナリティ障害に近いのだが、病的というわけでもないし(妄想などを見ることも一切ない)、主人公はこれで何の不都合も感じておらず社会的に適合していた。要は、単なる「人間のクズ」という感じの主人公なのだが、現在「佐藤」と呼ばれる亜人が犯罪行為・テロ行為を繰り返して亜人に対する悪評を振りまいているせいで、このままでは亜人となった自分が静かで安全な生活を送ることができない……という理由で、人間側の亜人対策組織と組んで、佐藤を止めようとする……という展開。

余談

第1巻では原作者がついていたのだが、2巻からは桜井画門の単独クレジットらしい。遡ってブログを修正しておいた。