マイケル・ジャクソンのPV集。これを観てつくづく感じるのは、アメリカの「ポップ・ミュージック」の豊穣さである。日本には、アメリカに比肩し得るポップ・ミュージックはほとんど存在しない。まあ俺自身としても「売れている音楽=屑」「売れている小説=糞」という偏見めいた感覚を拭いがたく持ってしまっている訳だが、悲しいかな、それがあながち外れている訳でもない。(他国の話は知らないが)日本人は、一見してわかりやすいもの=程度が低い 一見してわかりにくいもの=程度が高い という感覚を根深く共有しており、しかし実際には一見してわかりやすいだけの駄作が売れている。
日本で国民的に認知されているポップ・スターと言えば……誰だろう? SMAPか? しかしSMAPはアイドル・タレントであり、アーティスト・パワーの面では比較にならない。その他は……AKB48か。でもこれは売り方が上手いのであって、真のメンバーは秋元康だからなぁ。
まあ日本には、旨い飯ならともかく、牛丼が販売中止になると聞いて行列を作り、牛丼が販売再開すると聞いて行列を作る、「行列の奴隷」病に罹患している国民が極めて多い。日本とアメリカではポップの意味合いも変わっていてしかるべきだろう。