青春漫画の金字塔。『素晴らしい世界』でも注目されていたが、やはり本作で、浅野いにおが「青春漫画の若手随一の描き手」と周知されたと言って良い。宮崎あおい主演で映画化もされた。
バンドマンである主人公は、バンド仲間や彼女とモラトリアムをしたりサラリーマンとして生きていこう悩んだり、色々悶々するわけだが、事故で亡くなってしまう。そしてそこから本当の物語が始まる。人生の伴侶となるべき彼氏をなくした彼女や、幼なじみであり長年一緒に活動してきたバンドメンバーでもあった親友たちは、喪失感に打ちのめされる。しかし日々は容赦なく押し寄せてくるのである。
俺の中では、本作のテーマは「余生との決別」だ。半身をもがれ「余生」としてしか人生を味わえなくなった人間が、いかにして自らを取り戻し、彼氏や親友の死を乗り越え、過去を乗り越えるか……。
掛け値なしの大傑作!!