石川優吾『よいこ』1〜15巻

よいこ 1 (ビッグコミックス)  よいこ 2 (ビッグコミックス)  よいこ 3 (ビッグコミックス)  よいこ 4 (ビッグコミックス)
よいこ 5 (ビッグコミックス)  よいこ 6 (ビッグコミックス)  よいこ 7 (ビッグコミックス)  よいこ 8 (ビッグコミックス)
よいこ 9 (ビッグコミックス)  よいこ 10 (ビッグコミックス)  よいこ 11 (ビッグコミックス)  よいこ 12 (ビッグコミックス)
よいこ 13 (ビッグコミックス)  よいこ 14 (ビッグコミックス)  よいこ 15 (ビッグコミックス)
ある日大阪のある小学校に、大人顔負けのスーパーボディを持つ女の子が転校してきた。この主人公、体の成長は早すぎたが精神年齢はごく普通の小学生、いやむしろ普通よりおバカな天然キャラである。友達もおバカで、居候先の義兄もおバカ、というか担任もおバカだし校長もおバカ……という、大阪風味なコテコテギャグ漫画。
でも、登場人物は確かにおバカなんだけど、大半の人間は「心」を持っており、人情に溢れており、そして特に小学生たちは「おバカ」であるが故のシンプルで本質を突く世相批判までやってのける。ギャグもシリアスも絵もレベルが高い上、コテコテ具合がもはや芸術の域に達している、本当に面白い漫画である。大傑作!

余談

作者はスター・システム(あるいはそれに類似する仕組み)の意識的な使い手である。例えば、本作『よいこ』に出てきた中国拳法の使い手のジジイが『格闘美神 武龍』(ファイティングビューティー ウーロン)の主役級キャラクターとして登場してくるし、主人公のクラスメート・網本ケンジが描いた「小学生の漫画」は完全に現在連載中の『スプライト』の世界観の下敷きとなっている。また『どりる』に出てくる子供の名前は網本研二であり、『よいこ』の世界観との繋がりが示される。加えて、ド忘れしてしまったが『カッパの飼い方』も何かの作品と繋がっていた気がする。