笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1999/07/15
- メディア: 文庫
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謎解きもキャラクターも相変わらず魅力満点で面白いのだが、本書あたりから、西之園萌絵の事件に対する無邪気過ぎる興味というか首の突っ込み具合が気になりだす。前回、かなり危険な目に遭ったのに、全く反省することなく、盲目的に事件にのめり込むのである。そして本書でも(先取りすれば第4弾でも)危険な目に遭う。犀川創平はその態度に幾度となく警鐘を鳴らすのだが、今のところその態度が改まる気配はない。加えて西之園萌絵は、死体を見てもほとんど死者を悼むとか怖いとかショックとかいう気持ちがほとんど起こっておらず、むしろ目の前の謎にウキウキしてしまっている。明らかに異常な人物造形と言って良い。西之園萌絵は16歳の頃に両親を飛行機事故で亡くして半年間引きこもっているのだが、そのトラウマと何か関係しているのだろうか。