菊池涼介『二塁手革命』

二塁手革命 (光文社新書)

二塁手革命 (光文社新書)

スポーツ選手や元スポーツ選手の書いた本を手に取ることはほとんどないのだが(嫌いというわけではないが何となく食指が伸びない)、私は広島ファンということもあって、つい手に取ってしまった。

読む前から何となく感じていたことではあるが、いざ読んでみると、菊池は「理論」よりも「感覚」を大事にするタイプである。あまり小難しいことは考えていない。よく言えば、極めてシンプルに「来た球を打ち、受け、投げる」「走る」といったタイプだ。

補足

本書の感想を書いたとき、実は言い知れぬ不安を感じていた。感覚派と書くと聞こえは良いが、要は「何となく」プレーしているように感じたからである。感覚でも(何となくでも)結果が出ていれば問題ないのだが、様々な歯車が狂ったとき、感覚偏重だと「歯車の狂い」をチューニングするのに相当な苦労をするからだ。わたしのささやかな人生においてもそうなのだから、プロスポーツの世界において、感覚偏重の領域で歯車が狂うと大変だぞ……そう思っていたのだが、そう書くと言霊化(実現)しそうで、広島ファンであるわたしはもちろんそんなことは書かなかった。

しかし結果として、昨年(2015年シーズン)の菊池は大スランプ。

今年(2016年シーズン)は何とか復調してもらいたいものだが……。