安川一『ゴフマン世界の再構成 共在の技法と秩序』

ゴフマン世界の再構成―共在の技法と秩序 (Sekaishiso seminar)

ゴフマン世界の再構成―共在の技法と秩序 (Sekaishiso seminar)

何日か休みがもらえたので、昔読んだが日記に載せていなかった本をまとめて読み返すことにした。これはアーヴィング・ゴッフマン(アーヴィング・ゴフマン)という社会学者の理論的枠組みを日本で初めて体系的に解明し書籍化した本として(一部の間で)有名な本である。

今読んでも正直よくわかっていない部分もあるが(というか学生時代と比べて学術書の精読の力は落ちているので、昔読んでわからなかったところは今改めて読み返したところで結局わかっていないと思う)、ゴフマン社会学に魅せられたわたしは本書を何度も繰り返し読み返したものである。極私的名著と言って良い。ドラマトゥルギーとフレーム分析というゴッフマンにおける重要な2つの概念がどちらも解説されている。特にフレーム分析はゴッフマンの(『行為と演技』と並ぶ『フレーム分析』という)主著が未だ邦訳されていないことも相まって、本書の果たす役割は未だに大きいと思う。