- 作者: 日本経済新聞出版社
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2018/03/05
- メディア: ムック
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ムック本だし、事例紹介に終始している感じ。
唯一刺激的だと思ったのが、このキャッシュレスという言葉に込められた思い。著者というか監修者というか、とにかく「協力」として名を連ねる淵田康之という人は、本来『キャッシュフリー革命』というタイトルにしたかったそうだ。
筆者は、2017年、日本経済新聞出版社より『キャッシュフリー経済』と題した著書を出版した。バリアフリー、アルコールフリーなど、害を為すものをなくす場合は「フリー」という言葉を使うことが多い。逆に、家のように大事なものがない場合は「ホームレス」であり、ホームフリーとは呼ばない。キャッシュフリーという言葉が定着しないとすれば、まだ人々の間に、キャッシュ利用のデメリットが十分認識されていないからかもしれない。本稿では、慣例に従いキャッシュレスという言葉を使うことにしよう。
キャッシュフリーかキャッシュレスかという言葉自体には、わたしはほとんど興味がない。言葉遊びだと思うからだ。しかし「現金利用のデメリット」という考え方は、もっと認識されて良いように思う。お金が電子化されれば、闇金対策、税金逃れ対策、タンス預金対策、レジでの時短効果など、かなり色々なメリットがあるように思う。
特に税金逃れ対策、これは個人的には重要なテーマである。自営業やブラックマネーは消費税や法人税のようなものがかなり誤魔化されているが、マネーを電子化してきちんと徴収できれば、そもそもの税率を抑えられるかもしれないし、税体系自体をもっとシンプルにできるかもしれない。