伊藤亜紗『体はゆく できるを科学する』

VRで、けん玉を「ゆっくりスピード」でやる映像を数分チェックしただけで、その後、通常スピードでほとんどの人間がけん玉をやれるようになった。

巨人の桑田の投球フォームを解析したら、わずか10球だか15球だかの間で数十センチも投球フォームが違っていたという。しかし桑田は全く同じように投げているつもりで、ボールも同じように届いていた。また変化球を投げる時に桑田が「やっている」と思っている指の感覚と、実際の指の動きが全く違っていた。

体の感覚というのは不可思議なものでいっぱいだと、再認識。

著者は『手の倫理』という本を書いた人で、こっちは評判が良いものの残念ながら未読。一方、こちらは実験や観察をベースとした実用書で取っ付きやすく、こちらから読んでしまった。非常に面白い本で、おすすめ。近いうちに読み返そう。