大石まさる『ライプニッツ』

ライプニッツ (ヤングキングコミックス)

ライプニッツ (ヤングキングコミックス)

大石まさるは最近、『水惑星年代記』シリーズに代表される叙情性の強いSFと、『タイニープリニウス』に代表されるドタバタ系のSFを両方とも平行して描いているが、本書は前者である。
しかし大石まさるは最近、絵柄も話も模索を続けており、実験的なアプローチの漫画を多数描いている。本書も「前者」とは書いたが、『水惑星年代記』シリーズに比べると絵柄などはやや後者と混じり合っている実験的な印象。正直に言って必ずしも成功しているとは限らず、読者的には「水惑星年代記を描き続けてくれよ」と思ってしまうんだが、漫画家魂がそれを許さないんだろうな。