板垣巴留『BEASTARS』5〜6巻

BEASTARS　５ (少年チャンピオン・コミックス)

BEASTARS　６ (少年チャンピオン・コミックス)

肉食獣と草食獣が共存する世界。擬人化された獣が同じ言語を話し、同じ世界に生きる。彼らは（肉食獣を含めて）肉を食べることはご法度とされ、もちろん肉食獣が草食獣を殺すことなど重罪。しかし肉食獣に、肉を食べたいという本能は残っている……という、なかなか深みのある世界観である。そして舞台は全寮制のチェリートン学園、主人公は（大人でもあり子供でもある絶妙の年齢と言って良い）高校2年生のハイイロオオカミ・レゴシである。

さて、これまでも学校内で不穏な事件が起きる等、決してネアカとは言えない本作であったが、今回は高校生にはショックの大きすぎる明らかな犯罪組織と犯罪行為が登場し、物語としても急展開。色々なキャラクターの側面が炙り出され、本気で目が離せなくなってきた。

「肉食獣と草食獣の共存世界」というアイデアが、ストーリーを駆動させるための単なるモチーフから、テーマそのものに昇華しつつあるある。

めっちゃ面白い。